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2014.05.01
コラム
学生が興味を湧かせるとは -会社を紹介する(3)

第5回 学生が興味を湧かせるとは
-会社を紹介する(3)-

私は現在、甲南大学の後継者育成講座にスタッフとして参画させて頂いています。受けている学生は、今後事業承継することを考えている学生や、親が事業をしているが全く違う道を考えている学生、サラリーマン家庭で育ち事業承継とは関係がない学生などが受けています。全ての学生に、「中小企業の経営」・「後継者の置かれている立場」・「後継者としてのキャリア」・「起こりうる問題・障壁」などを非常に分かりやすく具体的に説明していくプログラムです。講座では実際に、自分のキャリアを明確にして、具体的な課題などが明確になっていくと、徐々に学生は変わっていきました。事業承継や事業経営に非常に興味を持ち、「事業承継について、親と話し合った」など具体的な行動に移っていきました。
改めて思うのは、学生が考える社会人とは抽象的なイメージが多いということです。人の脳は、抽象的なイメージしか出来ないと、そのことに非常に興味を持つとまではなりません。具体的なイメージが出来始めることで、そのことに非常に興味を持っていきます。
企業説明で会社に興味を持ってもらうには、学生が具体的なイメージが出来るような表現をすることが必要になってきます。そこで、直接的に具体的な説明もいいのですが、コーチングで使う手法をここで紹介したいと思います。直接的で具体的な表現だけでは、相手の抵抗感が大きくなる場合がありますので、あえて抽象的な比喩表現をしてみることをお勧めします。比喩表現は、相手の解釈する幅が拡大し、色々と思考を凝らすようになります。それが、相手の考えが具体的に落とし込まれることになり、具体的なイメージにとなっていきます。是非、企業紹介する文章や企業説明会では、学生にとって具体的なイメージができるようサポートして頂ければと思います。

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2014.04.22
コラム
会社をプラスイメージで説明するには -会社を紹介する(2)-

第4回 会社をプラスイメージで説明するには
-会社を紹介する(2)-

会社を紹介する際に、マイナスの面がないことを伝えるために「~しない」ということを使ってはいないでしょうか? 例えば、「この業界は低迷してきています。でも、心配しないでください。わが社は成長しています。」 といった具合に会話の中や文章の中で、よく使われている「~しない」という言葉。実は、この伝え方は、相手にマイナスイメージとして捉えられる一つの原因になる場合があります。
私が心理学を学んで始めのころに、脳がどのように言葉をとらえるのかを学びました。
その中で、脳は「~しない」という言葉を全く理解できないということが分かりました。どういうことかといえば、例えば、「このコラムを覚えないでください。」と言われても、覚えてしまうのが脳なのです。「~しない」の前の「覚える」ことを脳は、とらえていますが、「~しない」ということを脳はとらえることも、理解することも出来ないのです。ですので、会社説明で「この業界は低迷していますが、心配しないでください。わが社は成長しています。」という説明をしてしまうと、聞いている学生は心配要因を除き切れなくなり、強く脳に刻まれるのは「心配」という言葉が残ってしまうのです。そして、その会社にマイナスイメージを残したままになってしまいます。
心理学では、素直な脳の反応を利用して、必ず肯定文を使って表現するようにしています。プラスの企業イメージを持ってもらうためにも、「~しない」「~は良くない」などは使わずに、伝えたいことを肯定文で伝えてみてはどうでしょうか。

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2013.07.17
コラム
第1回 学生を惹きつける説明会の設定

第1回 学生を惹きつける説明会の設定

meeting
企業説明会の日時は学生のことを考えて設定されていますか?

組織行動学では、対象者の行動を観察することから始まり、そこに答えを見つけていきます。就職活動をする3回生の学生を観察していると、非常に忙しい毎日を過ごしています。授業・ゼミ・クラブ・サークル・アルバイトを真面目に参加しているのが、今の学生の特徴の1つであるといえます。授業・ゼミを真面目に参加している1つの要因は、昔と違い学校と保護者が連携をとりながら学生が出席するように環境をつくっていることが挙げられます。授業・ゼミに出席することが習慣化されているためにクラブ・サークル・アルバイトも真面目に出席するようになっているのだと推測されます。
そのように真面目に参加しているため、毎日、授業・ゼミが終わりサークル・クラブ・アルバイトの生活を毎日過ごしている学生が多いです。
私が大学生であった時代には「サボる・大学生だから遊ぶ」という言葉が普通に発生していましたが、今の学生に「サボる・大学生だから遊ぶ」という話をすると「出来ないです」という返答を多く聞きます。
このような生活を送っている学生ですから、学校がない土日に企業説明会・合同説明会に参加していることが多いです。企業側も土日に設定していることが多いのですが、土日開催の説明会が多くなってくると、学生は、参加する説明会に優先順位をつけて順位が高い順に参加していきます。その時に選ばれる企業は、学生が名前を聞いたことがある企業が選ばれていきます。その時に残念なのが、学生が名前を聞いたことがある企業には、BtoB業界・シェア・成長企業などが除かれてしまう点です。
平日の夜に開催される説明会であれば、学生は優先順位をつけることなく参加してくれる確率が高くなります。1日忙しい日を過ごした後に、リラックスできる雰囲気のある説明会であれば、学生にとって「魅力のある企業」という位置づけになるのではないでしょうか。

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コラム
第2回 学生が抱く企業愛着心で内定辞退を減らす

第2回 学生が抱く企業愛着心で内定辞退を減らす

学生が企業に対して持つイメージや、業界に対して持つイメージを人事の皆様は把握していますか。
学生は就職先を選ぶ際に、まだまだ分からないことが多いため、企業認知度・説明会・企業訪問・OB・OG訪問などでイメージを膨らまして選んでいます。学生が就職先を決定し、就職先を信頼し、愛着心を持つのはイメージが大きく影響しています。
ある地方銀行がこのイメージを払拭させることで、内定辞退を2割も減少させて、内定辞退者を大幅に減少させています。この銀行は、これまで内定辞退が20%~30%ほどありました。辞退の理由は、内定者が都市銀行を選んだと推測されていました。
人事担当者も、この辞退理由に対する対策がないものかを考えていたようです。
先ずは、業界のイメージを分析してみるところから始めていき、次に都市銀行・地方銀行のイメージを分析していきました。学生が銀行業界に対して持つイメージの中に「固い・真面目すぎる」があるのではないかという結果を出し、都市銀行と比べた地方銀行のイメージの中に「親しみやすさ」があるという答えを出しました。 そこで、人事担当者を配置換えし、今まで年配の男性でしたが、誰もが親しみやすく・明るくフランクな性格の20代の女性に換え、クリスマスに行った説明会もサンタの衣装を着るなどし、学生とフランクに話す説明会を行いました。「固い・真面目すぎる」というイメージとは違う「フランクで親しみやすい銀行」というイメージに変更した年から、内定辞退が大幅に減少し10%以下に減少しました。
学生が抱いているイメージの中にマイナスになるイメージがあるのであれば、是非マイナスイメージを払拭させて、会社に興味を持ってもらい、内定後は内定辞退を減少していただきたいと思います。

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2013.07.16
コラム
第3回 会社に好意を持ってもらう学生とのコミュニケーション -会社を紹介する(1)-

第3回 会社に好意を持ってもらう学生とのコミュニケーション
-会社を紹介する(1)-

様々な会社の自社を紹介する文章を読んでいると、会社の状態や事実事項だけを伝えているものが多く、「会社の事を伝える。」ことが目的になっているように思えます。
もちろん、会社の状態や事実事項を伝えることは必要です。状態や事実事項は読む側の学生にとっても知りたい情報でしょう。しかし、読む立場の学生に「会社の思いが伝わる。なお且つ、会社に好意を持ってもらう。」ものになっているのでしょうか。人事の皆様も「伝わればいい。」と思っているのではなく「伝わって、会社に好意を持ってもらいたい。」と思っていると思います。私自身も、人事採用に就いたばかりの新人だった頃に思っていたのは、会社を紹介する文章は「伝わればいい。」ものになっていたにも関わらず、応募者には「会社に好意を持っていて、どうしても入社したいと意欲がある人」を求めていました。
人が好意を持つのはコミュニケーションの中です。会話の他にも、会社の紹介文やオファーする際のメールなど、コミュニケーションの中で、好意が生まれます。
ここで言う好意とは、学生が「面白そうな会社だ!」 「楽しめそうな会社だ!」 「こんな会社で働くと幸せだろうな!」と思うことを示します。そのためには、学生とのコミュニケーションの目的を「伝えればいい。」ものから「会社の思いが伝わり、なお且つ、会社に好意を持ってもらう。」に目的を変える必要があります。
伝わって、好意を持ってもらう方法としての1つは、心理学で言われている感情を引き出す方法です。会社で起こった面白い・楽しい・幸せな出来事を、学生が五感でイメージ出来やすいように表現してみることで、感情が引き出されます。例えば、「営業部のAさんが初めて契約を決めた時の事です。営業部全員が笑顔でAさんを迎え入れました。「おめでとう」という言葉が飛び交い、全員とハイタッチして席に着いたAさんに、部長が「よく頑張ったな」と、とても香しいコーヒーを入れてあげたそうです。Aさんは、そのコーヒーを味わいながら「この会社で働いて幸せだ」と感じると嬉し涙が出たそうです。」 のように五感でイメージできる表現で「会社の思いが伝わり、なお且つ、会社に好意を持ってもらう。」ようにコミュニケーションを取り入れてみてはいかがでしょうか。