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誰もが自分の可能性を拡げて働ける世界を目指す。障がい者雇用担当者へインタビュー

インタビュー

誰もが自分の可能性を拡げて働ける世界を目指す。障がい者雇用担当者へインタビュー

  • #OSSユニット

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i-plugは障がい者雇用を実施し、8名が障がい者雇用枠で在籍しています。障がい者雇用に対するi-plugの考えかたや、メンバーの仕事や成長についてインタビューしました。

株式会社i-plug

河口さんHR戦略部

大学卒業後、美容関連メーカーにて営業を担当後、リハビリテーション病院に入社。その後、美容サロンを運営している企業にて障がい者雇用を担当する。2022年10月、i-plugに入社しHR戦略部に所属し障がい者雇用を担当。

 

鹿毛 河口さんが担当する仕事は何ですか?

河口 障がい者雇用枠で入社したメンバーの管理や採用が主な担当です。具体的には、対象者の日々の健康状態を把握し、スムーズに業務が進捗するようフォローと業務管理をしています。

鹿毛 現在、i-plugの障がい者雇用は何名在籍しており、どのような仕事をしていますか?

河口 現在、8名在籍しています。1名は経営管理部に所属し、7名は障がい者雇用者のみで構成された「OSSユニット」に所属し、一人ひとりの適性に合った業務をしています。
たとえば、エンジニア的スキルのある方には業務の効率化を目的とした自動化作業。動画の編集スキルがある方には、セミナーや採用広報用の動画などの撮影から編集まで依頼しています。そのほかにも、正確性に長けた方、文章に長けた方のように、事務的な仕事や営業のサポートなどの業務を社内より切り出し、社内のアウトソーシングセンターのような役割をしています。

鹿毛 i-plugが障がい者雇用を進める理由や思いを教えてください。

河口 障がい者雇用は、雇用率(※1)が法的に定められています。法律に準じて雇用をしていることはもちろんですが、私たちは法定雇用率達成を目指しているのではありません。

「つながりで世界をワクワクさせる」をミッションに掲げ、人の可能性を拡げる仕組みをつくるサービスを展開しているi-plug。サービスを展開するだけでなく、i-plug自身もさまざまな人がキャリアの可能性を拡げられる場所を提供していくべきだと考えました。私たちは「障害はあくまで個性や特性である」と考えており、障害の有無に関わらず誰もが挑戦したいことに挑戦し、自身のキャリアアップを実現することを目指しています。

i-plugという場所が、誰もが活躍できる場所になるようチャレンジを続けています。

※1 障害者雇用率制度について

鹿毛 障がい者雇用を進めるにあたって、環境や働き方において整えた体制はありますか?

河口 運営体制、コミュニケーション、業務内容、環境づくりの4つの面で体制や制度を整えました。

1.障がい者雇用の専任ポジションの設置と「OSSユニット」の発足

障がい者雇用を始めた当初は、専任の担当者が存在せずHR戦略部の業務の一つとして行って扱っていました。当時は障がい者雇用における社内の理解の浸透や、業務の割り振りが想定より難しい状況が続きました。

2021年に障がい者雇用促進の経験があるCHROの土泉さんが入社したことで、環境や体制の整備がされたのです。その時に発足したのが「OSSユニット」です。同時に、障がい者雇用を専任業務とする担当者を設置し、安定継続的に担当業務を持てる社内のオペレーションサポート組織として運用体制を整え、障がいのある方でも安心して働ける環境と体制を整えました。

2.一人ひとりに合わせたコミュニケーションと相互理解促進

i-plugはリモートワークも可能としているため、コミュニケーションを密に取らなければ相手の体調の把握がしづらいです。そのため、きめ細かい密なコミュニケーションを大切にしています。
具体的には、毎朝の健康チェックや週1回の定期面談の実施です。面談では、業務面、健康面、環境面の3つを主に話します。信頼関係の構築や働きやすい環境にすることを目的としていますが、きめ細かくコミュニケーションを取ることで、急な欠勤や体調不良など突発的なことに対しても未然に防ぐことができるのです。

また、メンバー同士のコミュニケーションの場も大切にしています。リモート環境ということでリアルで会う機会が少ないなか、、業務は主担当と副担当のペアで行っていることが多く、お互い声を掛け合い、助け合い、信頼できる場作りが重要だと考えています。メンバー間のコミュニケーションの場を大切にした結果、メンバー間でのお互いのケアが高まり、メンバー一人ひとりが安心して業務をしているように感じます。

3.障がい者雇用への理解を深める社内広報

現在、各部署からOSSユニットへ業務の依頼があり、それぞれのスキルに合った業務を振り分けています。各部署から業務の依頼をもらうには、全社員が障がいや障がい者雇用の取り組みを理解する必要があります。 障がい者雇用は会社全体の取り組みであることを理解してもらうため、全社員向けの説明会を実施しました。

また、社員がアクセスできるサイトにてメンバーの経験、スキル、人柄などを記載したプロフィールを用意し、業務依頼専用ページを設置。どのようなパーソナリティを持っている人たちなのか、どのような経験があり、何を得意とするのかを可視化して依頼しやすい環境を整えました。「障がいを持っていると業務が難しいのではないか」といった無意識にある偏見を徐々になくしていったのです。

今では、社内広報の必要がないほど、常に多くの部署から仕事の依頼があります。社内広報などの取り組みだけでなく、障がい者雇用のメンバーが期待以上の仕事を遂行していることで、現在も社内の理解促進につながっています。

4.長期勤務実現のための環境づくり

環境整備やコミュニケーションだけでは長く継続的に勤務をしてもらうことはできません。安定的かつ安心安全に働き続けるためには、「モチベーション」や「やりがい」が必要です。そのため、i-plugでは一般社員と同様の評価制度と昇給制度を設けています。障がい者雇用の方は入社時は原則アルバイト雇用です。入社後はお互いのお見合い期間として位置付けており、その後は最短6ヶ月での正社員登用制度も設置しています。すでに8名中6名が正社員へとステップアップしているのです。

一般的に、障がい者雇用の離職率は40%といわれています。一方で、OSSユニット設立から2年経った現在のi-plugの障がい者雇用の離職率は12.5%。人数でいうと1名のみです。環境や制度の整備だけでなく、障がい者雇用のメンバー一人ひとりと共に試行錯誤した結果だと思っています。

鹿毛 障がい者雇用の担当者としてこれから目指していることはありますか?

河口 i-plugはリモートワークが可能なため、通勤が困難な方や地方在住者など多くの方のキャリアを拡げられる可能性のある会社です。i-plugの良さを活かしてこれからも、多くの方が働きやすい場所を提供していきます。

また社内の理解だけでなく、障がい者雇用においてうまくいったこと・いかなったことなど社外の多くの方に発信していきたいです。そうすることで、国内の障がい者雇用への理解も高まると思っています。i-plugが代表となり、さまざまな人が働きやすい世界となることを目指したいです。

鹿毛 ありがとうございました。

障がい者雇用で働くメンバーにインタビュー

実際に、障がい者雇用を通じて入社した山本さんとKさんに、i-plugの仕事内容や挑戦したいことなどを伺いました。

鹿毛 i-plug入社以降、どのような仕事を担当していますか?

山本 私は経営管理部に所属しており、オフィス備品や郵便物の管理、請求書や契約書の処理など総務の仕事をしています。最近は、CEOの中野さんの秘書業務も一部担当しています。オフィス関連の業務が多く、出社していることが多いです。

K 入社当時は総務関連の仕事が多かったですが、現在はOfferBoxPLUSとグループ会社のサービスPaceBoxの業務を主に担当しています。具体的には、OfferBoxPLUSの営業に活用するシートの作成や、PaceBoxで企業が規定に違反した利用をしていないかなどのチェック業務を担当しています。

鹿毛 i-plugでの仕事を通して成長したことはありますか?

山本 新しい業務を経験するなかで、「自信」を持って業務を行えるようになりました。入社当時は「本当に自分に務まるのだろうか」「できなかったらどうしよう」と不安ばかり感じていましたが、i-plugに入社以降、ひとつずつ業務を覚え、できることが増えていったことが自信につながったのです。業務を覚えていく度に、感謝の声をいただける機会も増え、やりがいを感じています。

またi-plugは、手を挙げたらチャレンジできる文化です。私が新しいことにチャレンジしやすいように、部署のメンバーが新しい選択肢を与えてくれて、やりたいことを選ばせてくれる環境を作ってくれています。今では挑戦すること、働くことに対して自然と前向きに感じることができています。

K 私はもともと刺激や変化をネガティブに捉えてしまう性格でした。i-plugに入社して以降、ネガティブな考えに引きずられず、前向きに考えられるようになったことが成長したところだと思っています。
たとえば、リモートワークでのコミュニケーションです。これまでリモートワークをしたことがなかったので、リモートワークは大きな変化であり抵抗を感じていました。自分から声をかけないと仕事が進まないことや、慣れない働き方であることなど多くの心理的な壁があったのです。
そういった抵抗感を会社が理解してくれていたので、入社当初はOSSユニットの先輩が間に立ってコミュニケーションを取ってくれたり、相談できる環境を準備してくれたりしました。慣れてくると、自分からコミュニケーションを取れるような配慮をしてくれました。そういったステップを踏ませてくれたことで、抵抗感は薄れていったのです。今では抵抗を感じず、どうすればより良いコミュニケーションになるかを考えながら仕事ができています。

鹿毛 困った時や相談がある時、どのようにコミュニケーションをとっていますか?

山本 業務で困った時は、部署の人が常に気にかけてくれて、誰かに聞ける環境なので直接相談しています。また週に1度、河口さんとの面談もあり業務以外の困りごとや不安なことを話せています。i-plugは、誰かに話せる環境を整えてくれているように感じます。入社前は「話せる相手、相談できる相手がいるだろうか」と不安に感じていましたが、今はその不安はありません。 また、私は初めて話す人と対面でコミュニケーションをとることに少し不安がありました。

i-plugはチャットでのコミュニケーションが多いので、あまり緊張せずに、安心して初めてのコミュニケーションを取ることができています。文章での会話なので見返すこともできて、i-plugの働き方が合っていると感じています。

K 業務に関する相談は、仕事の依頼をしてくれる部署の方に直接相談することが多いです。誰かを挟んで相談するより、直接話した方がお互いの意図や思いが伝わるのでやりがいを感じます。お礼や喜びの声を直接もらえることも嬉しいですね。 i-plugでは、チャット文化が浸透しています。チャットだと落ち着いて意見をまとめて相談や質問を送ることができるので、チャットを利用することが多いです。チャットで相談をすると伝わりにくいと感じた時は、すぐにオンラインでミーティングをするようにしています。

また、毎日健康管理アンケートや、週に1回の面談を河口さんと実施しています。面談では業務量の調整や業務の適正な進め方、生活面や健康面について報告と相談をします。そういった定期的なコミュニケーションがあるからこそ、不安を取り除くことができているのです。

鹿毛 これから挑戦したいことはありますか?

山本 2023年11月1日から社員になり、これまでより仕事の幅が広がったと感じています。会社の制度や他部署の業務など、知らないことがまだ多くあるので、これからも一つずつ知らないことを学んでいきたいです。

業務に必要な知識を身につけるために、最近は簿記の勉強に挑戦しています。総務の仕事は経理部と関わることも多いので、勉強を始めました。10月に簿記3級に合格したので次は2級に挑戦したいです。 簿記以外にも、業務につながる勉強に挑んでいきたいと思っています。そういった挑戦を続けることで、しっかり理解している一つの指標ができ、なんとなく仕事ができているという状態ではなく、自信を持って仕事ができる状態にしていきたいです。

また、一人ひとりの意見や価値観を尊重して、わくわくしながら働ける会社にしていきたいです。働く環境を支える経営管理部で総務の仕事をしているからこそできる仕事だと思っています。

K 私は、長く安定して働き続けることを目指しています。そのためには、毎日の頑張りや成長の積み重ねが大切です。そういった日々を積み重ねることで、成功体験や感謝の声が多くなり、やりがいを持って働き続けられると感じています。週1回実施される河口さんとの面談は、仕事を振り返る良い機会です。これからは、振り返りやフィードバックをもらえる機会を、もっと活用していこうと思っています。
たとえば、今回のインタビューもそうです。自分の考えや経験を振り返って発信できるので、億劫にならずに挑戦していこうと思います。

鹿毛 ありがとうございました。