ソーシャルリクルーティングの成功事例
以前「ソーシャルリクルーティングとは?」という記事を書きましたが、数年前のソーシャルリクルーティングからカタチが変わってきたことを感じます。Twitterやfacebookの利用に落ち着きが見られ、個人も企業も「情報の拡散」から「個別のコミュニケーション」へと移行しているようです。
ソーシャルリクルーティングに成功している企業は、どのような活動を行っているのでしょうか?
「ほぼソーシャルメディアだけを活用して2011年度新卒採用を行ったアイティメディア株式会社の事例を紹介してみよう」というこの事例で、成功要因を次のように分析しています。
- もともとターゲットとの親和性の高い企業だった
- 事業戦略にもとづいて採用戦略を再構築した
- ソーシャルなロジックを十分踏まえて採用活動を進めた
- 費用のかわりに手間をかけた
- 採用とソーシャルリクルーティングがマッチした
アイティメディア社では、自社のソーシャルリクルーティングの事例をまとめた資料を公開されているので、関心をお持ちの企業はこちらのスライドをご参考に。
アイティメディアの事例で、印象的だった部分を引用すると、
ソーシャルメディアは、就職サイトのような送り手側による情報コントロールが効かない世界である。都合のいい情報だけ出して、それ以外の情報は伏せるといったことはできない。なぜなら、受け手から突っ込まれた時、回答しなかったり適当に回答したりしてしまうと、それが悪い情報として一気にネット中に広がってしまうからだ。このソーシャルなロジックへの理解がない状態でソーシャルリクルーティングを行うと思わぬ失敗を招く危険性がある。また、これは人事だけでなく経営陣や他部署も十分に認識しておく必要がある。
「就職サイトなどへの参画費用は大幅に削減できたが、インターネット上で一本釣りを行う手間と工夫は相当に必要であった。また、担当者は先述のソーシャルなロジックを理解していることが必須となる。関わる社員にはコミュニケーションのガイドラインを示して徹底することが欠かせない。」
ソーシャルメディアを利用して人材を探すには、ソーシャルメディアならではの「お作法」と「お金ではない費用」を計算に入れる必要があることが分かります。
アイティメディア・浦野部長の感覚では、
人事担当者が1名の企業で、採用コストがほぼ0円であっても、6名程度までなら優秀人材を十分採用できる。単純に考えれば、採用担当者を増員すれば採用数も拡大できるが、そうすることでコミュニケーションやメッセージに『ぶれ』が生じてくる可能性も増えるだろう。また、ソーシャルリクルーティングのプロセスをアウトソーシングするということも現状では考えにくい。数十名、数百名という規模の採用をソーシャルリクルーティングで賄うのは現実的ではないのではないか。
というコメントがあるように、ソーシャルリクルーティングでは大量採用には不向きでしょう。