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PRプロジェクト「視線が上がる広告」が完成するまでの話

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PRプロジェクト「視線が上がる広告」が完成するまでの話

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こんにちは、コミュニケーションデザイン部(PR)の鹿毛です。2023年6月、OfferBoxの「視線が上がる広告」を渋谷駅や関東圏の大学近郊の消火栓広告へ掲出しました。広告が完成するまでの裏話を記事にしたいと思います。

「視線が上がる広告」って?

2023年6月1日(木)より、就活生の気持ちが前向きになる「視線が上がる広告」を渋谷駅と首都圏大学の周辺エリアに設置されている消火栓に掲出しました。
慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、前野隆司教授による監修で、「視線を上げることで気持ちが前向きになる」という行動心理学に基づいた広告。通常の広告とは違い、あえてメッセージを目線より上に出すことで「視線が上がる広告」に設計されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000041771.html

プロジェクト開始の背景

当社が実施した「【2024卒対象】就職活動状況に関するアンケート」によると、就職活動時、「普段より気分が落ち込むことが多い」と感じた就活生は、47.1%と約2人に1人の割合となりました。さらに、「どちらかというと気分が落ち込んでいると感じる」という回答も含めると76.1%となり、就活生の4分の3以上が就職活動によって、ネガティブな気持ちになっていることが分かりました。
この結果をうけ、OfferBoxとして就活生に寄り添い支援ができないかと考え、当プロジェクトの実施に至りました。

またOfferBoxは「就活生に寄り添って支援するサービスでありたい」という思いが社内にはありましたが、社外へその思いを伝えきれていないと考えました。そこで、OfferBoxのさらなるブランドを推し進めるために当施策を実施したのです。これまでOfferBoxの広告は機能を訴求するものが中心で、広告という手段を利用して私たちの思いを伝えたのは初めてでした。

「視線が上がる広告」が完成するまで

1.広告代理店探し

外部の媒体を利用したプロジェクトとなることが見込まれるため、i-plugの社内だけではなく、サポートしてくれる代理店を探すことになりました。コミュニケーションをとるなかで、ヒアリングやコミュニケーションの丁寧さから、「株式会社プラチナム(https://platinuminc.jp/)」の皆さんと当プロジェクトに取り組むことを決めました。

i-plugのPRチームとプラチナムのみなさん

#代理店と同じチームで働くために

当然ですが、代理店の方は社員ではありません。サービスやコーポレートへの目線やこれまでのご経験もまったく違うものです。しかし、限られた時間で最高の結果を出すためには、チームとしてうまく機能しなければなりません。
そのため、以下の点を気をつけました

1.コミュニケーションを誠実に

プロジェクトが始まってからプラチナムの皆さんとのコミュニケーションでは「本当のことを伝える」ことに気をつけました。例えば、回答に迷っている理由として「社内調整がうまくいってないのか」「自分が納得いってないからなのか」「予算の調整が問題か」など、理由によって、代理店側が提案できる解決方法が違います。
前職PR代理店に勤めていた経験から、代理店をモチベートしながら共に同じチームとして働くためには「納得」することが重要だと感じていました。そのため、「本当の理由」を伝えることで信頼感を醸成し、同じ課題に向かってチーム一丸となってとりくみ、成功を目指せるよう、コミュニケーションには気をつけていました。

2.スケジュールの認識あわせ

1のコミュニケーションはあくまでも心行きの話し。
実際にプロジェクトを進めるにあたって、大事なのはスケジュールの認識合わせです。変更があれば締め切りを確認する、いつまでに何が必要かを確認する、などの当たり前のことです。広告を掲出するとなると、チームだけでなく掲出日やデザインの入稿日など、自社の都合では動かせない締め切りが発生します。そのため、いつまでに何をするべきなのかの認識を揃えることを定期的に行いました。そうすることで、何か変更があってもできる限り無理のないスケジュールで進めることができます。

3. 依頼できる範囲の確認

前職のPR代理店の経験から学んだのですが、代理店だとなんでもやってくれると期待してしまうことがあります。事前に、今回の企画と予算だと対応可能な範囲、不可能な範囲を業務単位で確認することが必要です。代理店や担当者によっても、対応する業務や期待する業務はさまざまです。例えば報告書1つお願いしても、フォーマットは違います。なので、私たちから報告書に書いてあると期待していることをお伝えし、内容をすり合わせることが大切です。

4.目的と思いの共有

プロジェクトを進めていくなかで関係者の目的が揃っていることが大事です。目的はいつでも立ち返ることができるものを設定し、かつ、共通認識とすることが必要です。今回私たちは、OfferBoxというサービスやプロダクトが大事にしている思いや信念を代理店に伝え続けながら、プロジェクトを進めました。その結果、施策の実施後に「メッセージとして正しく伝わったね」「ここはよりよくできたはずだ」などの振り返りができたのです。

2.効果検証の方法とKPIの設定

駅広告は、Web広告と違いターゲットの態度変容や導線を追うことが困難です。良い広告を出してもそれがどれくらい寄与したのかわからなければ、予算を使うことはできません。
そのため代理店も交えて事前にKPIを設定し、かつ、効果検証のための市場調査を設計しました。今回の目的はブランディングの観点が強いため、おもに認知度やブランド選好度、広告の閲覧経験、態度変容などを中心に広告前後で調査を実施し、値の変化を測定することにしました。

3.ターゲットの設定

プロジェクトを開始し、まず考えたことは「誰にどう届けるか」です。OfferBoxを利用する学生さんは、プロジェクト実施時期に何をして、どんな状況下にいるのかをまずは洗い出しました。
決定したターゲットは、夏インターンを本格的に考え始める25卒と本格的に就活を開始している24卒の学生さん達。就活を頑張る学生さん達を応援できるようなメッセージを発信することが決まりました。

4.アイディアのブラッシュアップ

「誰に何を届けるか」が決まれば次は「どう伝えるか」を考えました。決定したメッセージとターゲットをもとに、アイディアをブラッシュアップしていきました。
初期案は、頑張れという言葉が直球で届く広告や本音を表現する内容が中心でした。
そこで、「就活だけでなく、学業やアルバイトなどすでに多くのことを頑張っている学生さんに、さらに『頑張れ』と言っても押し付けになるのでは?」「本音を発信することは共感には繋がるが、応援に繋がらないのでは?」など、メッセージの訴求しやすさや受け取り手の捉え方の視点を中心としたディスカッションを実施。議論し企画のブラッシュアップをするなか、プラチナムの藤田さんが「顔をあげるとポジティブになる」という学生時代に学んだ心理学を思い出し、広告の3分の1にのみメッセージを配置することを提案。いくつかあったコピー案から、最も寄り添え、インパクトを与えることのできるコピーに決定。さらに、コピーの説得力を増やすために権威ある方の監修に入っていただくよう取り決めました。


5.出稿場所の決定

アイディア詰めと平行して、広告を出稿する場所を決めました。候補としてあがっていた駅それぞれについてデータをリサーチ。ターゲットは学生であることから、20代の利用が多い渋谷駅に決めました。候補としていた掲載位置はメトロ乗り換えの主要通路にもなっており、十分な通行量が見込まれること、また、天井から床まですべてを覆う面積を広告に使えることから、通行者に十分なインパクトを残せるとみこんで、出稿しました。

6.校正確認

デザインの詳細をつめたら、入稿したデータの色校を見ます。今回はグラフィック、写真を用いたものではないため色味の細やかな修正は入りませんでしたが、最終的な掲載イメージを掴み、最後の修正がないかを確認するよう務めました。

7.社内告知

OfferBoxのメッセージ広告は自社でも初めてのこと。全社の関わる出来事であるため、事前に関係各所へ企画の趣旨の説明と、出稿についての予告をおこないました。社内の事前評判としては「掲出される日が楽しみ!」「このようなメッセージ広告は初めてなので、学生さんがどう反応してくれるか気になります」とのコメントが。社内でも期待されていることがわかり、胸が高鳴りました。

8.掲出!

世間の人がどう反応してくれるのかわからない不安を抱えながら、迎えた広告掲出日。
東京オフィス所属の高根さんが、掲載エリアを見に行っていました。狙い通り、10代から20代くらいの方や、サラリーマン風の方など幅広い年齢層の方が多く通り、目に留まる広告として機能していました。

こだわり

今回のプロモーションで特にこだわった点は以下の2つです。

1.デザイン

広告をみた人が自然と上を見るようにデザインされた広告。駅はたくさんの広告と文字で溢れているので、あえて空白を多くとることにしました。
この広告では、情報が溢れている駅構内を歩く人の目線を考えました。だいたいの人が駅を歩く時、やや下向きまたは正面を向いています。その視線の高さで広告を出稿した田園都市線渋谷駅 地下2階 「ハッピーボード」に差し掛かると、急に白紙の壁が横に広がることになります。そこで「違和感」を人に覚えさせ、広告に目を向けるーーそんな仕掛けを考え、また印象に残るクリエイティブを制作できたと思っています。

2.エビデンス

「このくらいの目線が、自信に効く」というメッセージが多くの人の心に響くためには、説得力のあるエビデンスが必要だと思いました。
そこで、ウェルビーイングを研究されている慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、前野隆司教授に監修を依頼。「綺麗ごと」で終わらない、たしかな説得力を持つメッセージとなるような工夫をしました。

結果

嬉しいことに「視線が上がる広告」は多くの反響をいただきました。「あの広告よかったね」という言葉が社内外から聞こえました。市場調査の結果も短期プロモーションとしては良い結果が出ており、確かな手応えを感じました。
またTwitter(現:X)でのリツイート数約500件、コメント数は約8,000件、インプレッション数は約200万という結果に。SNSだけでなく、各メディアにも記事化いただき64件の掲載を獲得しました。

▼掲載された記事(一部抜粋)
・日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00553/00021/

・ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2306/02/news182.html

・大学ジャーナルオンライン
https://univ-journal.jp/226617/

まとめ

OfferBoxとしては初めてのメッセージ広告の施策でした。広告を掲出する前は、本当に多くの人が反応してくれるのだろうか…など不安も抱えていましたが、社内外から多くの反響をいただき、実施してよかったと心から思っています。
SNSやwebメディアでは大きな反響をいただきましたが、次回はテレビや新聞などの全国のマスメディアに取り上げてもらいたいです。そうすることで、より多くの学生さんへOfferBoxの思いが伝えられることを願っています。
OfferBoxのPR担当としてこれからも、多くの就活生に寄り添いながら価値を提供していきたいです。