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#6 なぜ起業家の支援活動をするの?/ シリーズ:中野さん!ちょっと教えてください

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#6 なぜ起業家の支援活動をするの?/ シリーズ:中野さん!ちょっと教えてください

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i-plugの代表取締役 CEOの中野さんに会社や価値観など、気になるあれこれを質問するシリーズ「中野さん!ちょっと教えてください」。第6弾は、中野さんが所属するスタートアップ起業家のコミュニティについて聞きました。

i-plugのミッションは「つながりで世界をワクワクさせる」です。ミッションの重要なキーワードとなる「つながり」。中野さんがいかに「つながり」を大切にし体現しているか、わかるインタビューでした。

株式会社i-plug

中野智哉代表取締役 CEO

1978年兵庫県生まれ。 2001年中京大学経営学部経営学科卒業。
2012年グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)。
株式会社インテリジェンス(現パーソルグループ)で10年間求人広告市場で法人営業を経験。 2012年4月18日に株式会社i-plugを設立し、代表取締役CEOに就任。

所属している3つの起業家コミュニティについて

私は今3つの起業家のコミュニティに所属しています。秀吉会にしなかバレーEO Tokyo Platinumです。

起業後、まず入ったのは「秀吉会」。秀吉会以外にも起業家が集うコミュニティは世の中に溢れています。当初、私がそういった場に足を運んだのは、営業が目的でした。そのなかで、株式会社グッドニュース 代表取締役 杉岡さんに誘われて参加したのが「秀吉会」です。起業家同士のリレーションをつくることが主な目的となるコミュニティとは違い、秀吉会はメンバーの企業を本気で成長させようと切磋琢磨しているコミュニティでした。たとえば、年末には各企業が「志」「実績(売上・粗利・経常)」「蓋然性(事業計画の実現性)」を発表します。そしてそれぞれを志10点、実績20点、蓋然性10点満点で評価し合い、投票のうえ順位を決めるのです。順位を決めるだけでなく、各々からアドバイスや意見が飛び交います。
そのように本気で起業家たちが自身の成長に向き合っていることに興味をもち、入会を決意しました。

その後、関西のベンチャー企業の起業家たちと「にしなかバレー」というコミュニティをつくりました。「西中島南方エリアにはスタートアップ、ベンチャー企業が多い」と新聞記者さんに話したことがきっかけです。すごく興味を持っていただき、メディアに取り上げてもらいました。もっと関西のベンチャー企業を盛り上げたいと考えました。そこで立ち上げたのが「にしなかバレー」。当時は、起業家同士が自分たちを盛り上げることを目的とした地域に根差すコミュニティが珍しかったので、メディアや行政などから注目されました。
主に若手の起業家を支援するコワーキングスペース「西中藩」を運営しています。過去に利用してくれていた学生起業家の2名が、最近「FORBES JAPAN 30 UNDER 30」に選ばれていました。

次に入ったのは「EO Tokyo Platinum」です。EO Tokyo Platinumは起業家の支援が目的ではなく、自分自身の成長を目的としています。「秀吉会」や「にしなかバレー」は、自分と同じような状況の起業家が多く、切磋琢磨するには最適な団体でとても多くの刺激をもらい続けてます。ただもっともっと自身の成長のためには、自分より多くの経験をする経営者や、より大きい会社を経営する人と会うべきだと考え、入会しました。

pay it forwardの精神で成り立つ関西起業家の文化

「秀吉会」や「にしなかバレー」のように、起業家を支援する取り組みを始めた背景は、i-plug創業時の経験にあります。i-plugの創業時から今までを振り返ると、多くの先輩たちにサポートしてもらってきたのです。

i-plugの創業メンバー3人(※)が出会ったグロービス経営大学院の卒業式でシナジーマーケティング株式会社 取締役会長 谷井等さん(※2024年4月時点の役職)が卒業生に対してのお祝いのスピーチをされていました。名刺交換をして後日、当時構想していたビジネスモデルを谷井さんに聞いてもらったのです。その時は、OfferBoxではない別のサービスを考えていて、すごく親身になって話を聞いてくれました。しかしその後、当時の事業は頓挫。
そして、OfferBoxのビジネスモデルを思いついた際に、再度谷井さんに話に行きました。当時、多くの人にOfferBoxについてプレゼンをしましたが「絶対うまくいかない」と言われていました。しかし、谷井さんだけは「かなり難しいけれど、うまくいく可能性は十分にある」と背中を押してくれたのです。そして、その場でシナジーマーケティング株式会社の人事責任者を紹介してくれました。当時の出来事は、起業して間もない私の情熱にアクセルを踏む糧となったのです。

そのほかにも、グロービス経営大学院で知り合った先輩たちが創業時に色んなサポートをしてくれました。i-plugの最初の売り上げもそうです。i-plugの最初の売り上げはOfferBoxの売り上げではなく、先輩が委託してくれた人材系のコンサルティングの仕事でした。学生向けのイベントを開催できるように、オフィスを貸してくれた先輩もいました。多くのサポートをしてくれたおかげで、OfferBoxのリリースを諦めることなく進めることができました。

これまでお世話になった先輩たちの想いに応えるためには、i-plugをより成長させること。そして、恩を次の世代に受け継ぐことだと思っています。「先輩にもらったものを後輩に返す」「pay it foward」の文化は、関西の起業家の文化に根付いています。私もその文化と精神に助けられてきました。だからこそ起業家の支援を続けています。そういった「give」でつながる文化が広がっているからこそ、関西の企業の発展が今あるのです。

この考えは関西の起業家だけの文化ではなく、社内でも言えることです。何かを「得よう」とばかり思わず、成長するためにお互いが「give」する文化。仕事をするうえで、とても大切な考えだと思っています。

※創業メンバーのインタビュー記事
ここからが正念場であり勝負時。i-plugの創業者3名に創業時や展望についてインタビューしました