こんにちは。法務グループのグループマネージャーの野田と、チームリーダーの網野です。
i-plugでは、社内メンバーのスキルアップを目的とした、さまざまな研修を実施しています。当記事では、法務が実施した研修とテストについて書きたいと思います。
i-plugの法務とのつながりが、社内の人たちの可能性を広げるきっかけに
法務発信の研修やテストの実施は、i-plugのグループMission(※)達成のために、法務としてできることがないかを考えたことがはじまりです。法務は、バックオフィスの部署なので、サービスを利用するお客様と直接関わることはありません。i-plugの人たちと話したり、相談を受けたりすることがほとんどです。だからこそ、i-plugに入社して法務と関わったことで、成長や可能性を広げられるようなコンテンツを届けられたらと考えました。i-plug内だけで通用する知識ではなく、「社会全体のなかで役に立つような知識を提供したい」という想いを込めています。
※ i-plugグループのMission 「つながりで、人の可能性があふれる社会をつくる」
法務の動画研修について
具体的な施策のひとつとして、1年間をかけてたくさんの研修動画を配信しました。動画施策について詳しく紹介します。
動画研修の内容
i-plugのルールではなく、人材業界で働くうえで必要となる一般的な知識を学べる研修の提供を検討しました。
動画を通した研修にしたのは、以下の3つのメリットがあると考えたからです。
- 効率的に時間を活用して研修が受けられること
全社員が日々自分のタスクに追われているのは当然のことです。特にお客様と対峙する部署は、自身の都合だけで日中の決まった時間を確保することが難しいと思います。だからこそ、業務の合間や作業時間を活用しながら視聴できたほうが良いと考えました。
- 効率的に必要な情報が得られること
動画で残すことで、必要な時に、必要な情報を得られると感じたからです。また、見返すこともできます。
- 共通の情報が見られること
講師が同じであっても、伝え方や表現が変わってしまうのは当たり前です。講師が変わったらなおさら。全員が同じ量と質の情報を得られるようにしたかったからです。
また、より効率的に必要な情報を得られるために、動画の長さと内容にこだわりました。1つの動画に対して1テーマ、かつ尺は10分程度。月に2〜3本、2024年度では約30本の動画を配信しました。
全社員対象のテストについて
続いて、2024年2月に実施した全社員対象の「法務テスト」についてです。テストを受けることで、一人ひとりが自身の能力を測ることができます。
また、2024年度の法務は「伝えるから伝わる」をスローガンとして掲げていたので、動画研修が社員にどのくらい伝わっているかを把握することを目的としてました。
テストの作り方〜生成AIの活用〜
テストの内容は、絶対に押さえるべきこと(MUST)と、人材業界で働くうえで知っておくと良いこと(WANT)に分けて問題を考えました。
テストの制作には、生成AIを活用しています。テスト制作で、最も難しく時間がかかることは、選択問題の選択肢を考えることです。私たちはすでに正解を知っているので、「ちょうど良い」選択肢を考えることが難しいと感じ、生成AIを活用してみました。
下記の通りで、テストを制作しました。
- 設問を部内で作る
- 生成AIに各設問の「選択肢」を考えてと指示
- 難易度の調整と、IT業界で働く人向けの選択肢に調整するため、生成AIに再度指示
- 選択肢と回答が正しいか等を検証しながら部内で最終調整
生成AIを活用したおかげで、テスト制作が効率よく進んだと感じています。
結果
点数が低いか高いかについては、あまり気にしていません。必ず正解してほしい箇所はほとんどの人が押さえられていたので、想定通りの結果で安心しました。点数だけでなく、詳細を見ていくことが大切です。振り返りでは主に2つを確認するようにしました。
1つ目は、誤りが多い設問を振り返ることです。研修動画で伝えた内容ではあるものの、誤りが多いのは「伝わっていない」ということ。今後、法務が研修を提供するときの重要な指標になります。
2つ目は、誤っている傾向を確認することです。結果を見ると、ほとんどの人が法律に対して厳しい条件で選択している傾向にあったのです。一見、不正解のように見えますが、リスクを考えると、法務としては少し安心できます。極端な例ですが、「⚪︎⚪︎は個人情報とは知らなかったため、漏洩してしまった」よりも、「⚪︎⚪︎は個人情報だと思っていたので、開示できないと思っていた」の方がリスクは低いですよね。だから、社員一人ひとりの法律に対する危機管理意識の程度を知ることができました。
上記2つを見ることで、法務が実施した研修において足りないことを知ることができました。さらに、これからすべきことも、解像度が上がったように感じます。今回わかったことを踏まえて、今までより効率的で効果的な研修やサポートが出来るようにしたいです。
これから
2024年度の法務は「伝えるから伝わる」をスローガンにしていました。次のステップとして目指しているのは、「伝わる」だけでなく、「知りたいことを聞いてもらえる」」状態です。目標を達成するためにまずは「何もわからないから聞こう」ではなく、「前提は理解しているけれど、不安なところや気になるところがあるから、法務に聞こう」という状態を作りたいと考えています。そのために、守るべき法律の情報を提供していきたいです。
人材業界に関する法律は、ここ数年で多くの変化があります。i-plugの全社員が「変わったことを知っている」「新しい法律に適応している」状態であることは、組織を強くすると思っています。日々の研修や情報提供によって、i-plugの人の可能性を広げ、i-plugのMission達成に貢献していきたいです。