藤田 幸秀
データコース

データという道具を利用して
課題を拾える人間に

藤田 幸秀2020年入社

入社経緯

1986年生まれ、大阪育ち。2012年3月、立命館大学理工学研究科基礎理工学専攻物理科学コース修了。修士(理学)。ゲーム会社でQAを経験したのち、プログラミングと機械学習を学んでデータサイエンティストに転身。大手総合化学メーカーで機械学習アルゴリズムの実装業務に従事。

2020年4月にi-plugに入社し、プロダクトのデータ分析やBIツールによる可視化、機械学習を利用した機能作成・改善などデータに関連する業務を幅広く行っている。

よりよいマッチングを目指したアルゴリズムの探求

i-plugへの入社の理由は、OfferBoxの利用企業数や学生数、サービス立ち上げから現在までの期間の長さから、十分なデータがたまっているのに活用しきれておらず、プロダクト改善の伸びしろが大きいと思ったからです。また自分自身、新卒での就活があまりうまくいかなかったため、「新卒採用という領域をよりよくしたい」という思いもありました。これから社会に出ていく人たちが、前向きに社会人になれる手伝いが出来たら良いなと感じたのです。

私がデータサイエンティストとして取り組む業務は主に2つほどあります。1つは、OfferBoxのデータを活用した機能改善や効果検証です。2つ目は、戦略や計画の策定に関わる業務です。「現在のOfferBoxの動きだと将来この数値になる」などの予測が、主に事業計画の策定に活用されます。計画達成のために必要な各種KPIの目標値の導出も行います。

昨年から主に実施したプロジェクトのなかに、OfferBoxの検索機能の改善プロジェクトがあります。OfferBoxの企業の管理画面には学生検索機能があり、利用企業は、学生の志望勤務地や志望職種などの条件で検索し、表示される学生プロフィールを見てオファーを送ります。検索結果は並び順が早いほど目に留まりやすく、登録されている学生がどの順番で表示されるかは非常に重要な観点です。

検索条件によっては大量の学生プロフィールが表示されることになり、すべてに目を通すことは非常に難しいもの。検索表示順位を最適化するため、アルゴリズムの開発に取り組んでいます。最適化に用いるのは属性のような単純な情報だけでなく、企業と学生それぞれの行動なども加味します。企業にとってはオファーを送りたいと思う学生を探しやすくなり、学生にとっては承認したくなるような企業からのオファーが届きやすくなる、双方のニーズに合致するオファーの流通を目指したプロジェクトです。

これまでのプロジェクトの流れを説明すると、5つのプロセスに分けられます。フェーズ1では、現状アルゴリズムの内容や精度を確認し、理想とのギャップを認識してビジネス上の問題点として整理します。フェーズ2ではその問題をどういう方針で改善するかを決めます。KPIの設計もここで行います。続くフェーズ3は、実際にプログラムに解かせる「タスク」の設計です。例えば、機械学習モデルなどに入出力するデータや評価指標を決定することに相当します。その後、フェーズ4でアルゴリズムの選定を行います。フェーズ5は評価です。アルゴリズムがフェーズ1であげた問題の解決に紐づいているかを検証します。

評価の段階で想定していた改善がみられたため、昨年社内で承認され、全ユーザーにリリースされました。現在は、想定した精度が維持できているかを日々ウォッチしています。ビジネス的なインパクトを考えながら、起案からリリースまでのほぼ全てのステップを担当したプロジェクトは、私にとって初めての経験でした。仮説がハマってKPIが改善した時は本当に嬉しかったです。モデルを構築するのも楽しいのですが、ビジネス上の問題設定とタスク設計をうまく一致させるところにやりがいがありました。

今後のビジョン

今後も私自身はOfferBoxでマッチングの改善に取り組んでいきたいと思います。OfferBoxはまだまだ伸びしろがあると考えています。手段は様々です。また、データは道具でしかありません。困っているユーザーがいて、社内にも課題が転がっている。それらを拾える人間であり続けたいと思います。

今年度は25卒として、2名のデータサイエンティストが入社しました。2人は統計的因果推論を大学で専攻していました。簡単にいうと、データから原因と結果の関係を推しはかる学問で、ABテストが行えない状況でも効果検証を実施する際などに活用できます。機械学習をメインに活用してきた私とは違った知識を持っている2人なので、これからは3人で知見の共有をしていきたいです。各々が経験したことや得意なことを共有しあい、3人で知識のネットワークを築いていけたらと思っています。

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